企業規模が小さくても、儲けをしっかり出しているキラッと光る企業第3弾です。
3社目は「福井コンピュータホールディングス」
高い収益性の要因を探っていきます。
福井コンピュータホールディングスってどんな会社?
28年度の売上は約100億、税引後当期純利益が20億!
またまた収益性の高さには驚かされます。
事業内容は、建築、測量土木CADソフトウエアの開発、販売、保守です。
CADとは、パソコンを使って「図面を書くこと」ができるソフトウェアです。
CADについてまとめた記事はこちら
事業は大きく2つの柱があります。
①建築CAD事業
建材・設備・住まいの3Dシミュレーションサイト、3D建築CADシステムの開発、販売、保守、使い方サポート
最新技術のVR(バーチャルリアリティ)の開発、販売、保守、使い方サポート
建築図面、見積書、発注書、提案資料の作成、住宅営業支援ツールなど、営業から設計、積算、見積までトータルサポート出来るCADソフトウエア
②測量土木CAD事業
大容量化するデータをスムーズに扱うことができる測量CADシステムの開発、販売、保守、使い方サポート
測量、見積書、発注書、提案資料の作成、営業から設計、積算、見積までトータルサポート出来る測量CADソフトウエア
参考までに…
福井コンピュータホールディングス株式会社は
2つの柱事業を、グループ会社5社に振り分けて展開しております。
福井コンピュータアーキテクト (建築CADソフトウェア)
福井コンピュータドットコム (3Dカタログサイト)
福井コンピュータ (土木・測量CADソフトウェア)
福井コンピュータスマート (カスタマーサポートサービス)
福井コンピュータシステム (建築CADソフトウェア)
これらの事業を、
「夢を最初にデザインします」
という想いのもと、プライドと人権を尊重された「全員経営」の社員により相手の立場に立ち切りながら、日々活動しています。
相手の立場に立ち切るとは、具体的には以下の視点です。
・顧客が、福井コンピュータFDの商品、サービスと出逢えたことを喜ぶ。
・取引先が、福井コンピュータFDが取引先であることを喜ぶ。
・株主が、福井コンピュータFDの株主であることを喜び、長く保有する。
・社員が、社員で良かったと思い、幸福をより実感できる。
相手の立場にたつことは、重要でなかなか難しいことですよね。
会社の設立から、現在に至るまでの歴史で、この相手の立場に立ち切るというという企業風土ができあがりました。
相手の立場にたちきることからできてきた福井コンピュータFDの強み
・売上総利益80%を占める高い収益性
・財務面での安全性は高く、安定している
・営業を中心とした顧客視点の商品開発力
・建築・測量CADソフトウエアのシェアが最大手
・国、地方自治体と密なつながりがある
・社内の育児尊重制度、高給料など従業員を尊重する姿勢
以上をまとめまして、福井コンピュータホールディングスを人に例えるとこんな感じになります。
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高い収益性を出せる仕組み
では、売上総利益約80%というのは、どのように実現しているのでしょうか。
建築、測量土木CADソフトウェアの最大手。シェアは高いでしょう。
(データが見つからなかったので推測になってしまいますが)
製品の原価がかからない(変動費がかからない)ソフトウェアにおいて、一定(固定費)以上の発注を受けることで、高い収益性を出せる売上を確保できているためと考えました。
では、なぜそのような売上を確保できているのか?
大きく2つあると考えました。
①新規顧客が、国や地方自治体と一緒に行うことで、継続して、かつ多数獲得できている
②リピーターが、充実した保守やコールセンターにより、継続して獲得できている
①②の前提として、営業を中心とした顧客視点の商品開発力により、満足度の高い製品を開発できていることも挙げられます。
相手の立場に立ち切るという企業風土が売上に繋がっています。
①の国や地方自治体との関係について
国土交通省が推進するi-Constructionという取り組みがあります。
建設現場の生産性向上をITを使って行う取り組みです。
国土交通省は目指すものとして、以下を掲げています。
・一人一人の生産性を向上させ、企業の経営環境を改善
・建設現場に携わる人の賃金の水準の向上を図るなど、魅力ある建設現場へ
・建設現場での死亡事故ゼロに
・「きつい、危険、きたない」から「給与、休暇、希望」を目指して
(引用:国土交通省HPより)
これをITを活用して実現するために、福井コンピュータは積極的です。
国土交通省や他企業と一緒になって、各地セミナーなどで発展・普及に貢献する活動を行っています。
また、この取り組みに応えられる製品の研究開発に力を入れています。
福井コンピュータのiconsutructionの製品対応が掲載されていましたので引用いたします。
(出所:福井コンピュータHPより)
福井コンピュータホールディングスを取り巻く環境、顧客のニーズ
取り巻く環境
・建設業界のIT化の遅れ
・オリンピックによる建築、整備の需要
・人手不足や就業者の高齢化
・国土交通省がi-Constructionという建設現場での生産性向上を目的とした取り組みを推進
まとめると、建築関係の仕事は沢山あるけど、労働者不足で追いついていない。
それに対して、国土交通省がシステム活用により現場の生産性を向上させること、人気のある職種にして就労希望者を増やすことに取り組んでいるというかんじでしょうか。
顧客向けのニーズ
ここで顧客とは建設土木現場になります。
建設業の課題調査結果がありました。
(出所:国土交通省 建築業実態調査)
ニーズはこのデータの裏返しと考えて
・一人一人の生産性が低く、企業の経営環境が悪いので、生産性を向上させたい
・賃金水準が低い、死亡事故があり危険、肉体労働がきつい職場を改善させ、従業員不足を解消したい。
・顧客ニーズの多様化に対応できないので、何とかしたい。
・後継者をつくりたい。
今後の注目ポイント
顧客が困っていることを製品化するのは福井コンピュータの大得意分野です。
未来の建設現場の担い手が、夢をデザインできるようなサポートがいかにできるかがポイントになってくると考えました。
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