2020年東京オリンピック、どんどん迫ってきますね。
その東京オリンピックでは、日本がどう成功させるか、世界中が注目しております。
見せましょう、日本の底力を!
ということで東京オリンピックで課題となっている一つ、警備体制について一生懸命な会社、「綜合警備保障株式会社」 そうです、「ALSOK」について、今回は取り上げてみたいと思います。
綜合警備保障株式会社ってどんな会社?
なかなか会社名は一般ユーザーには認知されおりませんが、ALSOKです。
ほ~~む~~セキュリティ~のア~ルソオック~~♪♪♪
アルソックの名前はあまりにも有名ですね。
会社名: 綜合警備保障株式会社
売上高: 4,359 百万円
営業利益額: 301 百万円
経常利益額: 319 百万円
純利益額: 193 百万円
従業員数: 37,519 人
従業員平均年齢: 39.3 才
従業員平均給与額: 560 万円
払込資本金額: 52,918 百万円
発行済株式数: 102,040,042 株
(2017年度実績)
事業内容は企業、一般ユーザーに対する警備事業が有名です。
最近は介護など、多方面で事業展開をしております。
ALways Security OK
あ、ALSOK!!
「ありがとうの心」と「武士の精神」をもって社業を推進し、お客様と社会の安全・安心の確保のために最善を尽くすことを大切にしながら、お客様が抱える様々なリスクやニーズに的確に応えていく会社です。
人に例えるとこんなイメージです。
ALSOKを取り巻く環境
大きく影響しているのは次の点になります。
<人不足による人件費の高騰>
少子高齢化で労働力不足、その中で警備という危険と隣り合わせの仕事はなかなか働き手が集まらない現状があります。
需要と供給。
人を雇うためには、高い賃金を払わないと雇えなくなりますね。
<東京オリンピック開催による警備体制>
現在の日本の警備員の数は50万人。
2020年の東京オリンピックでは、追加で1万4千人必要との試算有。
明らかに足りない現状がもう2年後に迫っております。
<企業の働き方改革>
鉄道会社は駅構内巡回ロボットがほしい!
などのニーズがあるように、どの企業も人が足りなかったり、生産性向上の働き方改革を迫られております。
<一般消費者のニーズの多様化>
もの→こと消費への変化。
SNSの浸透。
少子高齢化。
女性の社会進出。
働き方の多様化。
などなどにより、一般消費者のニーズの多様化が目まぐるしいです。
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ALSOKの魅力的なポイント
ALSOKを取り巻く環境はとても厳しいですが、そんな厳しい環境を「ありがとうの心」と「武士の精神」でチャンスに変えております。
売上高の成長率が高く、ぐんぐん伸びております。
売上高前年対比105%増。
売上高成長率が高いのは同業のM&Aや介護事業の新規参入が要因にあります。
そこで課題として挙がっているのが利益率の伸び。
人手不足で人件費が上昇していることが影響しております。
ALSOKと同業界で、リーディングカンパニーのセコムと利益率を比較してみましょう。
売上高総利益率:ALSOK24%、セコム32%
売上高営業利益率:ALSOK7%、セコム14%
(2018年)
セコムが利益率が高いのは、データセンター事業など、利益率の高い事業があるという要因もありますが、ALSOKは利益率の伸びを目指します。
ALSOKは利益率の改善目標として、2021年3月期決算で、売上高経常利益率8%を掲げております。
(2018年3月期の経常利益率7.3%)
ALSOKが魅力的なポイントは目標に向かって、コツコツと改善を実施することにあります。
最近では次のような取り組みをしております。
<交通誘導システムの試行運用を実施>
工事現場の高知県の道路で実施。
目的は深刻化する警備業界の人手不足対策と、交通渋滞の緩和です。
工事で交互通行となる区間の両端に、センサーを設置します。
そのセンサーで車の通行量、停車車両を感知し、停止信号の待ち時間を柔軟に切り替える仕組みです。
まだ試験段階ですが、警備員を3人→1人に減らすことを目指します。
<警備ロボット>
昼間は、道案内やカメラによるトラブルの監視。
夜間はフロア巡回、不審者・不審物の検知。
ロボットもALSOKの重要な警備員の一人です。
<東京オリンピック>
東京オリンピックの競技会場の警備計画をオリンピック大会組織委員会に提出しました。
東京オリンピックでは、なんとALSOKとセコムが一緒になって取り組みます。
(以前の記事で紹介しております→目指せ!生産性向上!! 企業間連携の3つの事例)
東京オリンピックでは、次に紹介する方法で、人数が少ない中での警備体制を作ろうとしております。
競技会場の販売員、清掃スタッフ、警備員に警備連絡用アプリを配備。
火事、もめごと、不審者、不審物などを発見したら、スマホアプリから通報。
アプリ経由で、警備本部に連絡、最寄の警備員にかけつけ指示がはしります。
この仕組みで足りなくなる警備員を補う作戦です。
2012年のロンドンオリンピックでは、民間警備員が数千人規模で足らず、陸軍が補っております。
2016年リオオリンピックでも警備員が足らず、警察が補っております。
東京オリンピック、ALSOKとセコムの共同警備隊が混乱なく、警備することができれば、日本の警備会社を世界へアピールできるチャンス!
<センサーを使った警備の仕組み>
ALSOKの売上高の4割を占める警備事業でも工夫が見られます。
全国2,400か所の拠点に警備員を配置、契約先のセンサーが異常を感知するとかけつける仕組み。
今後、契約先が増えれば、固定費は現状のまま売上拡大が見込めるので、利益率アップに期待が持てます。
従業員の出退勤と合わせてこの警備システムを提供できる「ALSOK-GⅤ(ジーファイブ)」の契約が伸びています。
顧客企業の働き方改革が追い風です。
<ALSOK社内の労働環境も整備>
ALSOK社内の働き方改革もぬかりありません。
センサーの高度化により、誤報通知が減っています。
警備員の負担が軽減されてきているので、警備員が複数の仕事をこなす「マルチタスク化」が可能になってきています。
技術員が担当していた火災報知器の点検・簡単な修理を警備員が実施できるよう教育されます。
技術員はより専門性の高い仕事に専念できるようにしようとしています。
また、土地柄、地域のイベントを踏まえ、ATMで必要な現金量を予想する仕組みをもっています。
「明日は、地域のフリーマーケットがあるので、現金の引き出し量が多くなるだろう」
このようなノウハウも利益率の改善につながりますね。
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今後の注目ポイント
2点、注目ポイントがあります。
セコムと共同で立ち向かう東京オリンピックを大きなトラブルなく、無事に成功させられるか。
競合セコムに大きく引き離されている収益性。
目標の売上高経常利益率8%を2021年に達成できるか。
ALSOKの活躍、楽しみです。
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