※2018年12月27日更新
現金を持たないで、クレジット、電子マネー、QRコードなどで決済を完了するキャッシュレス決済。
最近何かと話題にあがってきます。
今回は、そんなキャッシュレス決済についてまとめます。
キャッシュレス決済とは?
ここでキャッシュレス決済について、今一度確認してみましょう。
キャッシュレス決済は次の3パターンに分類されます。
①プリペイド
スイカなどにあらかじめ入金したお金を使う前払いパターン。
②リアルタイムペイ
デビットカード、QRコードなど、口座から直接引き落とされる即時払いパターン。
③ポストペイ
クレジットカードが代表的です。後払いパターン。
世界では決済の標準となってきていますが、日本はまだまだです。
消費者の利便性、企業の生産性向上のためにも、キャッシュレスはとても有効的。
そんなキャッシュレスの日本と世界の違いについて取り上げます。
日本と世界のキャッシュレスの現状
日本のキャッシュレス決済比率は、世界の各国と比較して低いです。
(出所:平成30年4月経済産業省 商務・サービスグループ 消費・流通政策課 キャッシュレスビジョン)
本当に低い!
驚きですね。
また、どんなキャッシュレスサービスが活用されているか確認してみました。
こちらは国によってまちまち。
(出所:平成30年4月経済産業省 商務・サービスグループ 消費・流通政策課 キャッシュレスビジョン)
ヨーロッパはデビットカード、アジアはクレジットカード、という印象です。
国によって、支払い方法でこんなに差がでるのはおもしろいですね。
その国の常識は、隣国からみると非常識。
他国を知ることで、自国を認識できる。
…そんなことを実感できるキャッシュレス事情なのでした。
また経済産業省がまとめたキャッシュレスビジョンに掲載されているVisa 社の委託調査によれば、日本にいるとき、現金しか使えないことに不満を持つ外国人観光客は 4 割存在するとされています。
また、現状のカード払いのインフラを改善しないと、2020 年に訪日インバウンド旅行者が 4,000 万人となった場合、109 億米ドル(約 1.2 兆円)の機会損失が発生すると試算しています。
お金を使いたいのに、現金決済が制約条件となり、買い物できない…
とてももったいない機会損失になります。
世界の取り組み
世界各国のキャッシュレス事情を見てみましょう。
<スウェーデン>
スウェーデンにおけるキャッシュレスは、1980年代後半に発生したバブルが、1990年代に崩壊し、金融危機に陥ったことから、金融機関を中心に国家を挙げて生産性向上を目指したことが背景の一つと考えらます。
また、
・冬季期間の現金輸送の困難さ
・慢性的な人手不足
・強盗事件が多くて現金の持ち合歩きは危険
などなど、キャッシュレス推進の背景と考えられます。
実店舗では、「現金拒否(CASH FREE)」という表示を掲げることで、現金支払いの取り扱いを全くなくしている店が存在しています。
(出所:平成30年4月経済産業省 商務・サービスグループ 消費・流通政策課 キャッシュレスビジョン)
店舗運用で現金管理はとても手間と神経を使います。
毎日現金がいくらあるか数えて、差異があったら徹底的に確認します。
「その辺に落としちゃっていないか?」
「お客様にお釣りを渡し忘れていないか?」
お釣りの準備も必要です。
お釣り用の小銭を銀行で両替して用意します。
レジ従業員もお金を扱うのは気を使います。
差異があると盗難を疑われてしまうので、はらはらどきどき。
レジの人材募集しても、なかなか集まりません。
なので、店舗運用面では、完全に現金を扱わないというのは、とっても効率がよいのです。
日本の取り組み
先頭の図でも確認したように、日本のキャッシュレス決済比率は、世界の各国と比較して低いです。
現金決済が主流なのは、日本の社会情勢や、国民性が関係していると言われています。
例えば…
・クレジット=借金のようなイメージより、クレジットを使うことの後ろめたさ
・使い過ぎてしまいそうという浪費の心配
・現金を落としても返ってくると言われる治安の良さ
・偽札の流通が少なく、現金に対する高い信頼
・ATM の利便性が高い。現金の入手が容易である
最近注目の新しいキャッシュレス決済にQRコード決済があります。
QRコードの決済経験者:9.1%
スマホなどのモバイル決済:20%
(2018年5月トーマツ調査 10~50代2,000人対象)
まだまだ使ったことある人は少ないですが、5年後にはこの数字がぐっと上がっていきそうですね。
お財布を出さずに、スマホで完結する、結構便利です。
使えるところが少ないのが難点!
キャッシュレス化、日本ではどのような取り組みがあるか診ていきましょう。
<政府の目標>
世界に遅れをとってはいけない!
日本政府は2018年6月の未来投資戦略で、
「この10年間でキャッシュレス比率を2割→4割にする」
ことを目標としました。
一般の人がキャッシュレスを使う、企業がキャッシュレス決済をできるような仕組みにする、
そんなことを推進していくような、政府の仕掛けがこれから沢山出てきそうな予感…
<LINE Pay 社の事例>
LINE Pay が提供するサービスは、大きく以下の 5 つである。
①LINE Pay の口座にバリュー(資金)を入れる「チャージ機能」
②LINE の友だちにバリューを送る、送金を要求する「個人間送金・送金依頼機能」
③LINE Pay の実店舗等の加盟店で支払いを行う「支払い機能」
④LINE Pay に保存してあるバリューを現金として引き出す「出金機能」
⑤請求書のバーコードを読み込んでバリューから支払う「請求書支払い機能」
(LINE 社ホームページより抜粋)
LINE Pay の特徴は、「LINE」の友だちであれば、相手先の口座情報がわからなくても送金できる点にありあす。
(出所:LINEホームページより)
そしてなんといってもスマホで決済できるってとても便利。
スマホは移動中、手に持っていたり、ポケットにいれていたり、すぐ出せる体制になっています。
お財布から取り出すより10倍便利です。
<郵便局>
日本郵便は2020年、郵便局でキャッシュレス決済を導入しようと試みています。
郵便局窓口で発生する、ゆうパックの申込み、はがき購入などをクレジット、電子マネー、スマホによるQRコード決済を取り入れる準備をしています。
外国人の要望が多いのが後押しになっており、2020年の東京オリンピックに間に合わせたいという背景がありそうですね。
確かに外国人からすると、絵葉書を送ったり、荷物を送ったりと、何かと郵便局を利用します。
2018年春、全国の郵便局で訪日外国人向けのサービス向上のため、翻訳システムの導入が行われたり、有料で荷物預かるよサービス、ホテルなどへの配送サービスなども取り組み始めております。
キャッシュレスが当たり前になっている外国人にとっては、郵便局のキャッシュレス化は必須ですね。
<ギャザリングテーブルパントリー>
完全キャッシュレスのレストランです。
ロイヤルホストを運営しているロイヤルグループの店舗です。
注文もタブレットを使って行います。
(参考:GATHERING TABLE PANTRY のHP)
<ファミリーマート>
電子マネー、クレジットはもちろん使えます。
それに加えて、2018年11月から、スマホで決済できるサービスを開始します。
対象店舗は約1万7千店。
便利になりますね!
<ローソン>
こちらの特色は、お客さんが自分のスマホで商品スキャンし、決済まで完了できるところです。
その名もローソンスマホペイ。
大まかな流れは以下です。
ローソンアプリを起動→商品をスマホでスキャン→スマホで決済完了→店舗専用端末で確認し、購入完了!
ローソンスマホペイの目的は2点。
①混雑時のレジ待ちにおけるお客様のストレス軽減
②店舗でのレジ対応の省人化による生産性向上
実施している店舗は現状は少ないですが、どんどん広げていく予定です。
ローソンのHPによると、
時間帯別スマホペイ売上高:朝の時間帯(7時~9時)で約3割、昼の時間帯(11時~12時)で約4割、
利用者層:30~40代の男性が約6割。
買い物時間:混雑時の入店から退店までの時間は約1分で、レジで決済をする場合に比べて約4分の1という結果。
感想としては
「慣れれば早そう、慣れれば便利」
「お金を払っているのに、払っていないように見られないか心配」
2つ目の感想を防ぐために、最後のチェックポイントを専用端末で設けて、袋詰めまでできるようにしているのかもしれません。
2019年10月までに、買い物客自らバーコードを読み取り決済するサービスを1,000店で導入予定だそうです。
<丸井グループ>
丸井のクレジットカードといえば、エポスカードです。
丸井で買い物すると必ず聞かれる言葉
「エポスカードお持ちですか?」
「今ご入会いただきますと、2000円分値引きになります」
カード勧誘がレジで徹底されています。
クレジット事業会社エポスカードがQRコード決済をスタートしました。
決済サービス「エポスPay」
エポスカードの公式アプリで、店頭のQRコードを読み込み決済完了です。
東京都中野エリアの商店街、店舗から導入をスタートしております。
スマホを使った決済や、指紋認証は、今後もどんどん増えていくでしょう。
今後、どのようなキャッシュレスの方法が出てくか楽しみです♪
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