自社にしかない高付加価値商品で成功している日本企業は沢山あります。
「トリケミカル研究所」もその一つ。
半導体や太陽電池、光ファイバーなどの製造に不可欠な化学品の研究開発・製造・販売を手掛ける化学工業メーカーです。
今回はそんなトリケミカル研究所について診ていきましょう。
トリケミカル研究所ってどんな会社?
会社名: 株式会社トリケミカル研究所
売上高: 6,445 百万円
営業利益額: 1,598 百万円
経常利益額: 1,622 百万円
純利益額: 1,145 百万円
従業員数: 130 人
従業員平均年齢: 36 才
従業員平均給与額: 698 万円
払込資本金額: 709,912 百万円
発行済株式数: 7,812,160 株
(平成30 年1月期決算実績)
2018年1月東証一部上場しました。
山梨県に本社を置く、研究開発型企業です。
顧客のニーズに柔軟に対応することができるコンサルティング型の会社になります。
主力製品は化学工業の分野で世界最高レベルの純度(99.9999%up)を誇る高付加価値化学薬品「ウルトラファインケミカル」。
主力製品をはじめ、材料工学・応用化学の視点から、常に新しい材料の開発・提案を行い活躍しております。
業績は売上高&利益ともに右肩上がり。
絶好調の企業です。
(出所:トリケミカル研究所HP http://www.trichemical.com)
(出所:トリケミカル研究所HP http://www.trichemical.com)
ここで注目したいのが利益率の高さ。
売上高:約64億円
売上高総利益率:44%!
売上高営業利益率:25%!
自社にしかない高付加価値製品ということで高い利益率を実現できています。
売上は日本、台湾がメインで、中国、韓国にも進出しております。
(出所:トリケミカル研究所 第40期(2018年1月期)決算説明資料)
そんなトリケミカル研究所が目指している姿…
マテリアル オブ マテリアルズ :”Material of Materials”を提供する
最先端のテクノロジーを化学から考え、切り開いていく役割を果たす。
開発力の向上および生産技術の改善に取り組み、顧客により良い製品および技術を提供することで顧客満足の最大化を目指す。
このため、品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善していく。
大切にしていること…
人間の快適な生活に貢献する立場から、私たちは製品に気持ちを込め、人に優しい製品を創り出していくことを第一に考える。
最先端を支える私たちトリケミカル研究所だからこそ、暖かい心のこもった化学をお届けすることを大切にしている。
以上をまとめまして、トリケミカル研究所を人に例えるとこんな感じです。
日本を引っ張てくれる頼もしい企業です。
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トリケミカル研究所の成功ポイント
ニッチな市場ですが世界トップレベルの製品を世に送り出していることで高い利益率を実現。
ニッチ戦略に成功している企業の代表です。
成功のポイントは以下にあると考えます。
・創業者の先見の明
→半導体が主流になることを見抜き、自社しかできないもの高品質なものをいち早く作り上げた
・突き詰める研究心
→純度(99.9999%up)。研究魂の結晶です。「マテリアル オブ マテリアルズ。」
・顧客のニーズに柔軟な姿勢
→顧客が求めていて、大手が実施していないことは何か?顧客の声をしっかり聴いて、あれやこれや考えます。「顧客により良い製品および技術を提供することで顧客満足の最大化を目指す。」
・新規製品の開発力
→どこもやっていないことを作り上げるのは骨が折れます。試験方法は?材料調達は?製造工程は?全てが手探りな中で挑戦していく今期が必要です。「最先端のテクノロジーを化学から考え、切り開いていく役割を果たす。」
目指している姿が、しっかり実現されております。
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今後
ニッチ戦略に成功していますが、業績を維持、さらに伸ばしていくためのポイントは以下と考えます。
<長期:新規主力製品の開発>
新しい製品を開発し、高付加価値を追求できるかが今後の成長のポイントになっていきます。
<直近:積極な設備投資の稼働>
新規工場が2つ立ち上がります。
・上野原第2工場(2018年10月完成、稼働済み)
・台湾子会社新工場(2019年に完成予定)
この2工場が起動にのるかポイントです。
本格稼働は許認可取得や試運転後で業績への寄与は2022年1月期ごろと期待。
業績を伸ばしている台湾を中心に純利益を上回る投資を行いました。
今後のトリケミカル研究所のニュースが楽しみです。
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