※2018年11月12日更新
HACCP(ハサップ)という言葉を聞いたことがありますか?
今回はこのHACCPについて。
HACCPとは?
HACCPとは
「Hazard(危害)」
「Analysis(分析)」
「Critical(重要)」
「Control(管理)」
「Point(点)」
の頭文字をとった言葉です。
食品製造時における安全を確保するための管理方法のことを言います。
日本語ではそのまま「危害分析重要管理点」と訳されます。
…ちょっと分かりにくい。
・HA(危害分析)…食中毒や異物混入の可能性をリスト化
・CCP(重要管理点)…リスト化されことに対し、対策を連続して実行管理する
HACCPがしっかり行われると…
食品製造時、ゴミ・微生物混入が起きやすい工程で危害をあらかじめ予測
→対策を打つ
→被害を防ぐことができる!
つまり、クレームを事前に防止することができるのです。
管理には手間、時間がかかりますが、食中毒などの問題が起こったときの企業へのダメージ、お客様の信頼低下を考えると、実は効率が良いことです。
ところでところで…
HACCP実施前に、まず5Sがしっかりできていることも重要です。
5Sができていて、さらに管理をしっかりしていこー!というのがHACCPになります。
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HACCPの12手順と7原則
食品を取り扱う会社がHACCPを導入する際、次の12の手順を踏みます。
特に手順6~手順12は重要!
HACCPの7原則と呼ばれています。
手順1:HACCPのチームを編成する
手順2:製品の名称や種類、原材料、添加物などを記述する
手順3:製品を加熱して食べるのか、そのまま食べるのかといった用途や、主に誰が食べるのかという消費者を確認する
手順4:原材料の仕入れから最終製品の出荷まで製造工程の一覧図を作成する
手順5:製造工程一覧図が現場の認識とズレがないか確認する
手順6(原則1):各工程で危害要因になりそうなものを洗い出して分析し、対処方法を検討する
手順7(原則2):加熱殺菌や金属探知など危害要因を取り除くための重要管理点(CCP)を決定する
手順8(原則3):CCPが適切に制御されているかどうかを判定するための管理基準(CL)を設定する
手順9(原則4):CCPが適切に管理されているかどうかを確認するためのモニタリング方法を設定する
手順10(原則5):モニタリングした結果、CLから外れているときに行う改善措置を設定する
手順11(原則6):HACCPが適切に機能しているかを確認するための検証方法を設定する
手順12(原則7):HACCPを実施したことを記録に残し、保存するための方法を設定する。そのことでどの工程で問題が生じたのか、ひと目でわかるようにする。
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HACCPを導入するメリット
HACCPを導入すると国際的に評価されます。
HACCPを導入済み又は一部導入している8,406企業を母数に算出(複数回答可)したアンケートでは、メリットを以下のように挙げています。
<メリット>
・社員の衛生管理に対する意識が向上した:78%
・社外に対して自社の衛生管理について根拠を持ってアピールできるようになった:43%
・製品に不具合が生じた場合の対応が迅速に行えるようになった:38%
・クレーム・事故が減少した:32%
・ロス率が下がった:10%
・HACCPを求める事業者(小売業者等)との取引先が増えた:10%
・生産効率が上がった:9%
(平成26年12月31日 厚生労働省が実施した「HACCPの普及・導入支援のための実態調査について」より)
HACCAPの義務化
政府は2020年の東京五輪を見据え、HACCPの義務化を決定しました。
2020年施行。
2021年完全施行。
任意ではなく、必ず実施するべき法律になります。
日本の衛生管理を国際基準まで引き上げる目的があります。
基準対象は、基準Aと基準Bの2パターン。
(出所:厚生労働省 手引書作成にあたっての考え方について)
基準Aは加工工場、と畜場、食鳥処理場など。
→HACCPに基づく衛生管理をしっかり実施していきましょう。
基準Bは小型飲食店、食品スーパーなど。
→まず基本の5Sをしっかりできたうえで、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理をしていきましょう。
まとめ
HACCP施行にあたり、業務用で、柄の部分がカラフルな包丁に人気が出たりしております。
なぜカラフルなのかというと、HACCPの推進により、食材によって包丁を使い分けるニーズが高まっているからです。
HACCPの義務化は、沢山の企業に影響がありそうです。
え!?自社は関係あるのでは…
そうなのです。
今から対策が必要になってきますね。
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