マズローの五段階欲求 ~意欲をかき立てV字回復~

マズローの五段階欲求 ~意欲をかき立てV字回復~

Maslow’s hierarchy of needs以前、収益性の高い企業ということで福井コンピュータホールディングスを取り上げました。

その時の記事はこちら→“福井コンピュータホールディングス ~収益力のあるCADソフトウェアの会社~

福井コンピュータホールディングスは企業理念が社内で浸透しており、営業戦略がしっかりしている印象を受けました。

そんな福井コンピュータホールディングスを設立した先代社長 小林眞さん。

本を書いていたことを知り、読んでみました。

今回はその本の情報と、本に記載されていたマズローの5段階欲求のお話。

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本情報

福井コンピュータ ワンマンだからできた「全員経営」
著者  :小林眞
出版社 :中経出版
発売日 :2008/3/8

内容 :先代社長の歩んだ人生が描かれています。生い立ちから、13回転職して様々な会社で働いた経験、組合活動、福井コンピュータ立上げから株式上場まで。小説!?と思うくらいドラマチックで、福井コンピュータに対する想いが伝わってきます。本気で生きてきた人生に魅了されました。

福井コンピュータ ワンマンだからできた「全員経営」

その中で人の欲求に関して触れていた箇所が興味深かったのでとりあげます。

福井コンピュータは、2000〜2002年とても厳しい経営状況だったようです。

バーチャルハウスの紹介、体験版の配布、アクションプランの徹底など様々な営業政策をうっていきました。

ところが、うまくいかないのです。業績が伸びないのです。

そんな時、あれ?と思うことが続きます。

今まで利益を上げてきた営業部門のエースが辞めていくようになったのです。

問題は内部的なところにあったようです。

退社される方々は、社内では責任のある地位、ほかの社員より給料は良い、会社も全面に信頼しているという方ばかり。

仕事は充実してそうでした。やりがいがありそうでした。

はてはて??

先代社長は見当もつかず、思い切って聞いてみたそうです。

すると、退社社員が申し訳なさそうに「退社理由はお金です。3人目の子供ができ、もう少し稼ぎたかったので。」

社長は衝撃を受けました。

福井コンピュータには社員全員が共有する将来的な資産、夢がある。

他社より高い給料ではなかったが、福利厚生制度は充実。社内はオープンフラットな風通しの良い雰囲気。

働きやすいはず。モチベーションは上がりやすいはず。

なぜだ? なぜだ??

先代社長は悩んでいると、マズローの5段階欲求に出会いました。

マズローの五段階欲求

アメリカの心理学者アブラハム・マズローは

「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」

と定義した上で、人間の欲求を5段階に分類したものです。

①→②→③→④→⑤という順で欲が満たされていきます。

①生理的欲求
満たされていないと、生きることさえ難しい欲求が「生理的欲求」です。
「眠たい」「お腹すいた~」

②安全欲求
とりあえず生きていけるけど、安全に生きたいという欲求が「安全欲求」です。
「雨漏りしない家に住みたい」「安定収入が欲しい」

③社会的欲求
孤独感が怖い、家族や会社などの集団に帰属したいという欲求が「社会的欲求」です。
「仲間に入れて」

④承認欲求
自分を大切にしてほしい、すごい人だと思われたいというのが「承認欲求」です。
「出世したい」「金メダルをとりたい」

⑤自己実現欲求
他人どうこうよりも「自分の能力を最大限活かしたい!」と自分向きに矢印がついた状態が「自己実現欲求」です。
他人のことは気になりません。自分の最大化に意識があります。
「自分の能力を活かしたい」

「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」

そのために欲求があり、その欲求は、5段階の欲求のどこかのステップに位置しているというものです。

マズローの5段階欲求を認識し、社員の意欲をかき立てる

そうなのです。

「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」

そのために欲があるのでなのです。先代社長はここで、人間の本質の欲の存在を認知するのです。

今まで社員は一生懸命仕事をしていきました。

社員のスタンスは、

会社に対して忠実に仕事をしてきた→先代社長は善だと思いこむ。

実際は家族に対して豊かな生活がほしい→家族には善。会社には欲、というか意欲。

それなりに仕事をする社員には応えてきましたが、それ以上に仕事をする社員の意欲には応えられずにいました。

欲の存在を認知した後、評価制度を変更しました。

・成果を上げた社員に対してはその成果に応じて、どれだけでもボーナスにて報酬を与える。天井をとっぱらい報酬制度の実施です。

そこから社員の目の色が変わったそうです。

社員の報酬に大きな差が出ました。2003年冬ボーナスは高額者200万以上、低額者5万。

この差は実績によるものなので、みんな納得したそうです。

2002、2003年の月ごとの粗利は1割以上の大幅な増益、2004年3月期は粗利で6億に到達しました。

社員の士気向上により、平均業績は飛躍的に増大。いわゆるV字回復を成功したのでした。

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最近の風潮

仕事に対しての考え方が、少し前と大きく変化していると感じます。

会社に対して忠実に仕事をしてきた→先代社長は善だと思いこむ。

実際は家族に対して豊かな生活がほしい→家族には善。会社には欲、というか意欲。

家族ファースト。私もそうです。

仕事はもちろん好きですし、成果を残したい、貢献したい、頑張りたいという意気込みで挑んでおります。

しかしベースは家族が会っての仕事なのです。

この本の話は今から約15年前ですので、2018年の現在は、さらに家族ファーストの風潮に変化しているように感じます。

この考え方は、世代によって多少ギャップを感じます。

皆さんの会社の従業員はどのような傾向にあるでしょうか。

自社の従業員にマッチする方法で従業員が活き活き働ける企業が増えればよいですね。

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