ミールキットって使ったことありますか?
ミールキットとは、食事(meal)を調理するのに必要な材料一式(kit)がセットされたものです。
ミールキットのバリエーションは豊富。
- そのままの素材+調味料のもの
- カットされた野菜や肉+調味料のもの
など、料理の手間レベルは様々。
ですが、献立を考える手間、素材をそろえる手間を省いて、時短料理ができるのは共通の特徴です。
ミールキットの需要は、共働き世帯が増加とともにぐんぐんUP!
そんなミールキット市場の中でも、国内で成功しているのがオイシックスです。
今回は注目企業オイシックスについて診ていきましょう。
オイシックスってどんな会社?
会社名: オイシックス・ラ・大地株式会社
売上高: 71,040 百万円
営業利益額: 2,467 百万円
経常利益額: 1,825 百万円
純利益額: 790 百万円
従業員数: 670 人
従業員平均年齢: 39.4 才
従業員平均給与額: 562 万円
払込資本金額: 7,396 百万円
発行済株式数: 34,324,116 株
(2020年3月期決算時)
売上規模は約700億円、売上高総利益率は47%あります。
商品そのものの収益性はとても高いっ。
資金面の安全性は◎
売上高、資本金、経常利益率ともに成長しております。
まさに今、ノリにのっている企業といって良いですね!
2018年2月に食品宅配業のらでぃしゅぼーやを子会社化しています。
事業内容
事業内容はミールキットの宅配販売。
ターゲットは、忙しい共働き、30~40代女性。
そんなターゲット顧客は、以下から、コースを選んで購入します。
- シェフ:人気シェフ監修、レストランみたいな食事ができあがり♪
- デイリー:大人ごのみのメニュー
- キッズ:子供がいる家族が喜ぶメニュー
2,3人用で、1,200円~1,500円がボリュームゾーン。
2品を、20分(主菜+副菜)で作れるキットになっております。
定番4~5種類+週替わりメニューで構成されています。
販売チャネル
販売チャネルは、ほぼほぼ通販。
自社ECが9割です。
プラスして、アマゾンフレッシュの通販、クイーンズ伊勢丹の店頭でも購入できます。
オイシックスの特徴
・有機栽培を使用、5種以上の野菜、添加物なし
→安全安心!健康を気にする方には必須の項目です。
・どんな商品がイメージしやすい商品名
→買いやすい!分かりやすい!
・発注受けてから農家で買うのでロスなしの仕組み。顧客とはサブスクリプションで定期販売。
→収益性の高さはここも要因のひとつ
サブスクリプションモデルの説明はこちら↓
≫サブスクリプションモデルのメリット・デメリットと事例~実は身近にたくさんあるよ~
オイシックスのお試しセットを購入すると、注文完了の画面に、動画が張られています。
その動画を見ると…
「おためしセットのご注文は、収穫の合図」
(出所:オイシックスHPより)
お客様から注文がきてから、農家から購入していることが分かる(*‘∀‘)
オイシックスの強み
そして強みは…
顧客の声を商品に活かせる仕組みが徹底されている
ここが本当にすごいポイント!
私がほめたたえたい、真似したいポイントです。
その方法とは…
- メール、ウェブ、電話、対面で顧客からヒアリング
- 毎週月&水曜に社内試食会
→顧客からのヒアリングをもとに、本当に自社商品が顧客によりそう商品か?を社内で週2回も確認し、開発に活かしています。
業績の良い企業の条件であるお客さんの声を活かしてPDCAを早く回すことが徹底されている印象を受けます。
自然派食品宅配のナンバーワン!といって良いでしょう。
他の企業との共創
他の企業との共創も活発です。
- 40年の歴史を持る有機・無農薬食材の会員制宅配事業、㈱大地を経営統合
- 会員制食品宅配事業で、30年の歴史を持つ、らでぃっしゅぼーや㈱を子会社化
今後ますますの発展が予想できますね。
オイシックスが目指す姿
そんなオイシックスが目指す姿は…
「これからの食卓、これからの畑」
より多くの人が、よい食生活を楽しめる サービスを提供。
よい食を作る人が、報われ、誇りを持てる 仕組みを構築。
食べる人と作る人とを繋ぐ方法をつねに進化させ、 持続可能な社会を実現する。
食に関する社会課題を、ビジネスの手法で解決します。
まさに食育を事業化している企業といってよいでしょう♪
以上をまとめまして、オイシックスを人に例えるとこんな感じになります。
高付加価値食品をメインに扱い、ECを活用した食品宅配市場におけるトップ・ブランドとして、日本のミールキット業界をけん引してくれています。
オイシックスを取り巻く環境
近年の社会動向の変化としては、共働き世帯の増加が挙げられます。
(出所:平成29年版 男女共同参画白書 内閣府)
これに伴い、食事の準備にかける時間、食事準備担当者の変化から、簡単にできる惣菜、加工野菜の需要が伸びています。
中食の伸び。
(出所:加工・業務用野菜をめぐる状況 平成30年3月 農林水産省)
カット野菜やキット野菜の伸び。
(出所:加工・業務用野菜をめぐる状況 平成30年3月 農林水産省)
今後も、食の簡便化の傾向は続くと考えられる中、加工用需要へのシフトが想像できますね。
(出所:加工・業務用野菜をめぐる状況 平成30年3月 農林水産省)
競合の動向
オイシックスを取り巻く、他のミールキットを扱っている企業を確認していきます。
それぞれ特色を出して、自社路線を確立しようと奮闘しております。
<セブン>
ターゲット:働く単身女性
ボリュームゾーン:1人前550円、2人前1,000円
2品で20分(主菜+副菜)
セブンイレブンで受け取れるというのが差別化ポイント。
5割がセブンイレブン店頭で受け取っているようです。
商品には以下の特徴があります。
- 保存料、合成着色料使っていない
- スケールメリットあり
- 1日に必要な野菜が摂取できる。
健康路線はオイシックスと同じですね。
<よしけい>
ターゲット:40~50代女性
1975年からの老舗企業です。
ボリュームゾーン:2人前で1週間5,000円~7,000円
最近は1人前も取り扱い始めました。
定番は35分で調理できるよう設定されています。
少しじっくり調理する人向きです。
自社配送(フランチャイズ)をしているのが大きな特徴です。
自社配送なので、配送員が顧客の声を生に聞け、それが大きな強みポイントとなっています。
<イオンリテール>
こちらはスーパーマーケットの店頭販売が中心です。
ターゲット:30~40代働く女性
ボリュームゾーン:2人前500~880円
- 10~15分がメイン、長くて20分
- 5種類以上の野菜を使う
- 6アイテムスタート、目標50アイテム
- 青果担当がリーダー
- 献立に困っている人向きなので、もやしとカット野菜の間の青果売場においている。
スーパーマーケットには野菜そのものは販売しております(当たり前ですが…)。
ミールキットとして大きな特徴を出すために、調理済みで、かつ材料をそろえるのが大変なレシピがメイン。
5種類以上の野菜を使っているのはそのためです。
そのため時短に重きを置いています。
<ローソン>
- 30~40代働く女性
- 10分調理、時間にポイントをおいている
- 2~3人前、700円~1000円
- アイテム数10
<アマゾン>
- 30~40代働く女性
- 2~3人前、800円~1,200円
- 30アイテム
- 独自性を打ち出せるPBのようなもの。
<サミット>
惣菜大プロジェクトとして実施。
部門をまたいだ横串の商品開発をして挑んでおります。
1パック298円のレンジでチンする味付け肉などもあります。
<ブルーエプロン>
海外、とくにアメリカではミールキットは日本よりも一般的です。
ブルーエプロンはアメリカのミールキット業界を引っ張ています。
配達メインで、1週間分まとめて材料が届きます。
差別化ポイントは品揃えがミールキットにとどまらないところです。
ワインな、調理器具セットなど、関連販売をしております。
ケーキ専門コース、スムージー専門コース、ハイプロテインコースなど、専門的なものも豊富。
料理のスキルアップを目的として購入されるかたも多いようです。
<クローガー>
もう一つ海外の企業をとりあげます。
大きなスーパーマーケットの企業です。
リアル店舗がメインなので、基本店頭で購入します。
- 安価、時短、手間が掛からない(ノーチョップ)、使いたい日に買える
- ミールキットの購入額の75%は作業工程が1~2のみのミールキット製品
- 少人数セットがうれる(2人前は約8割)
日本と同じ、店頭で販売しているのは時短がメインのようです。
<競合のまとめ>
- 値段は店頭購入では1,000円以下、配達は1,000円以上が多い。
- 特徴をどう打ち出すか?健康、商品のリニューアル、柔軟な対応、お客様の声の反映、値段、調理時間など。
- ロスを減らす方法も各社工夫している。
サブスクリプションモデル(オイシックス、予約から約1週間で配送、予約後に野菜を収穫の定期配送)
セブン、注文1日前→3日前に変更
真空パックで長持ち - 使いやすさの工夫もそれぞれ
手で開けられる袋:オイシックス、セブン
レシピ動画:よしけい
副菜あり:オイシックス、セブン、よしけい
今後の注目ポイント
ミールキットは今後、共働きが増えるにつれ、さらに拡大していくと予想しています。
そんな中で通販型ミールキットの課題としては次のようなものが想定できます。
- 毎日食べていると飽きる
- 緊急の対応に融通がきかない。
- 物足りない量だと使ってもらえない場合も…
- 配送の場合は、配送効率が重要
- 冷凍キットは素材が限定されてしまう。
これらの課題をどのようにクリアしていくか、注目ポイントです。
また成長市場であるがゆえに、追随企業もさまざまなビジネスモデルで現れることでしょう。
その中で、いかに付加価値をつけ、特色を出していくか。
オイシックスのこれからが楽しみです。
オイシックスのリピート上手なマーケティングについの記事はこちら↓
≫オイシックスはマーケティング上手!トライアルから、ついついリピート客になっちゃうポイントとは?
オイシックスのミールキットをレビューしてみました↓
≫オイシックス(Oisix)のミールキットは料理上手への時短でもあった!評判のお試しセットでレビュー
それではこの辺で
まったーね!
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