今回はSTP分析についてまとめていきます。
STP分析はマーケティング戦略を考える時に便利です。
STP分析とは
Segmentation:どの市場で?
Targeting:誰に対して?
Positioning:どのような価値を提供していくか?
の3つの頭文字をとった分析手法のことです。
もう一度。
どの市場で、誰に対して、どのような価値を提供していくか?
目的は、顧客視点で自社製品の立ち位置をはっきり認識し、差別化を行うことです。
私はSTP分析をS(背が)T(高い)P(ポチ)と覚えています。
今回は背が高いポチのグッズを具体例としてとりあげます。
背が高いポチのグッズを大人気商品として売り込むマーケティング戦略を一緒に考えていきましょう。
あ、今回の具体例は全て想像上のデータに基づかないフィクションです。
Segmentation:どの市場で?
セグメンテーションではどの市場にするか決定するために、市場を細分化していきます。
顧客が求めているものを考えることがポイントです。
各セグメント内では、顧客が求めているものが同じになるように、市場を細分化していきます。
よく使われる4つの切り口があります。
〈4つの切り口〉
・人口動態変数(デモグラフィック変数)
年齢、性別、学歴、家族構成、職業、所得など
・地理変数(ジオグラフィック変数)
地域、人口、住まい、気候、文化、宗教など
・心理的変数(サイコグラフィック変数)
ライフスタイル、価値観、心理的特徴、購買動機などの感性っぽい分類
・行動変数
時間、曜日、頻度、購買状況など消費者が実際に購入した分類
〈具体例〉
今回は、動物グッズということで、10歳未満の女の子にニーズがあるかなと何となく想定し、年代&性別をセグメントとすることに決定しました。
年代(10才未満、10代、20代、30代…)×男女
Targeting:誰に対して?
顧客のニーズによって市場を各セグメントに分類したら、次はどのセグメントを狙うか決めます。
これがターゲティングです。
どのセグメントにしようかな…
そんな時、ターゲティングで参考のになるセグメントの評価方法があります。
<セグメントの評価方法>
・市場の規模はどうか、市場そのものに成長性があるか、収益性があるか
・自社の強みを活かせるか
・環境要因を考えるとどこが良いか(PEST分析、PEST分析を説明した記事はこちら)
・競合他社との差別化を図れるか
・新市場に参入する際、参入障壁は高いか低いか
・営業活動やマーケティングで到達できるターゲットを選ぶ
・そもそも狙ったターゲットに対して、実際にアプローチできるのか
ターゲットを絞れたら、ターゲット像を具現化してみましょう。
できるだけ具体的に。ペルソナを作り上げてみましょう。
具現化できない場合は、まだターゲットを絞り切れていない可能性があります。
〈具体例〉
セグメンテーションで細分化した市場ごとにアンケート調査を行ってみました(仮定の話です)。
すると10代で自分がなりたい理想の体型の動物を肌身離さず持っていると、理想の体型に近づくという噂が広まっており、理想の体型グッズが流行していることが分かりました。
常に理想の体型グッズをもっていると、常に意識できるということから、意識面のサポートという背景があるようです。
さらに、セグメント別には10代男性が身長を伸ばしたいというニーズがあることが分かりました。
自社の背の高いポチのぬいぐるみは、10代男性にニーズがありそうなので、10代男性をターゲットに決めました。
Positioning:どのような価値を提供していくか?
ポジショニングはターゲット顧客にとっての、競合製品と自社の立ち位置を決めていくことです。
これによって、競合との差別化ができ、ターゲット顧客にアピールできるのです。
ポジショニング分析は①~⑤の手順にそって行うとやりやすいです。
〈ポジショニング分析手順〉
①製品に対する顧客の一般的なKBF(購買決定要因)を抽出します。
KBF(Key Buying Factor)とは、顧客が購入製品を選ぶ決め手となる要素です。
②KBFのうち、ターゲットが特に重視するものを選びます
上位4つくらいに絞ります。
③KBFごとに自社製品と競合製品の比較評価を行います。
その中で、自社製品が優位になれる2つのKBFを選び、軸とします。
④2軸のマトリックスで可視化したポジショニングマップを作成します。
視覚的に自社と他社を区別化することができます。
相関性の高い軸は選択してはいけません。
例えば時間と手軽さという軸を選ぶと、手軽なものは時間がかからないので当たり前の結果になります。
相関性の高くない軸を選ぶのがポイントです。
⑤ポジショニングの確認
ポジショニングが、顧客に伝わるか?共感してくれるか?
売り手である企業自体のポジショニング(企業理念、ポリシーなど)と、製品のポジショニングに整合性があるか?
企業と製品が同じ芯を通っていないと説得力がありませんよね。
〈具体例〉
ポジショニングの手順で、
①製品に対する顧客の一般的なKBFの抽出
②KBFのうち、ターゲットが特に重視する上位4つを選び出す
さらにアンケートを行いました(繰り返しになりますが、あくまでも想像上の話です)。
「理想の体型グッズでほしいものは?」
10代男性のアンケート結果上位4つをまとめると、
・背が高い動物グッズ
・制服の胸ポケットに入るようなコンパクトなもの
・汚れが目立たない素材
・男らしい動物グッズ
③KBFごとに自社製品と競合製品の比較評価を行い、2つのKBFを軸として選択
現在背が高い動物グッズは競合のきりんの10センチくらいのもこもこキーホルダーのみでした。
きりんはどちらかというと優しいイメージです。そして少し大きめです。
・制服の胸ポケットに入るようなコンパクトなもの
・男らしい動物グッズ
を軸と決めました。
④2軸のマトリックスで可視化したポジショニングマップの作成
⑤企業の方向性と製品の方向性が間違っていないか確認
合っています。背の高いポチのグッズを製作できます。
少し強そうな背の高いポチのチェーン付ぬいぐるみを制作することになりました。
この背が高いポチ(強いバージョン)を、10代男性がどんなふうに持ち歩いているか?
ストーリーが描けたら出来上がりです!
最後に
STP分析を実施する際、順番にこだわる必要はありません。
極端に言えば、ポジショニングである価値軸と自社のポジションを先に決定してからターゲットを導きだすのも◎。
自社の製品の状況などを考慮して、一番やりやすい手順でおこなっていくのが良いと思われます。
STP分析の後は、マーケティング実行戦略をかんがえます。
マーケティング実行戦略についてまとめた2記事です↓
・マーケティングの4P分析実践し、フリマアプリでたくさん売る方法
・4P・4Cから4Eへ★web時代マーケティング実行戦略の変化
それではこの辺で。
まったねー!
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