自転車の販売店「サイクルベースあさひ」
きれいな店内にぴかぴかの自転車がずらりと並んでいる。
そんな印象をうけます。
わくわくな気持ちで新しい自転車を買いに訪れたことのある方も多いのではないでしょうか(´▽`)
我が家も最近、電動自転車をあさひで購入しました。
どんな企業かな??
今回は自転車の製造小売業「サイクルベースあさひ」について診ていきましょう。
サイクルベースあさひってどんな会社?

<サイクルベースあさひ>
- 自転車で楽しむ文化を創出する会社
- 自転車業界最大のSPA(製造小売業)
- 売上直近5年で133%増
- 従業員は自転車好き、自転車通勤率56%
創業1949年の老舗企業。
戦後に知育玩具の会社として誕生しました。
創業後、自転車専門店へと大きく転換しております。
現在は自転車をつくって、自社店舗で販売しております。
いわゆる製造小売業(SPA)。
SPAについてまとめた記事はこちら↓
≫Amazonに対抗!小売業が選ばれる方法【SPA(製造小売)という選択も考えてみる】
自転車業界の製造小売業としては、最大規模の会社です。
自転車で楽しむ文化を創出すべく売上規模拡大を試みております。
売上は近年うなぎのぼり~⤴
直近5年で133%(2022年時点)。
直近の販売の伸びの要因としては、電動アシスト自転車の人気に対して、「ネットで注文、お店で受取り」サービスが成功したことにあります。
高単価商品を、ネットで購入でき店舗で受け取れる仕組み。
我が家もこの方法で自転車を購入しました。
別記事で詳細をまとめますが、とっても便利(´▽`)
そして従業員はおそらく自転車大好き。
自転車通勤率56%という驚異の数字。
半分以上が自転車通勤です。
駐輪場が必須の会社なんてめずらしい。
サイクルベースあさひの収入源は?
サイクルベースあさひの売上はどんな事業で成り立っているか??
- 1位:自転車の販売
- 2位:自転車のパーツ・アクセサリー
はい!ご想像のとおりかなと。
売上の72%は、自転車の販売。
売上の17%は、自転車付属品(パーツ・アクセサリー)の販売。
つまり自転車もろもろで、約90%の売上構成です。
自転車は一般の自転車はもちろんですが、スポーツサイクル、子供用自転車、電動アシスト自転車、折りたたみ自転車など幅広く取り扱っております。
店舗の品揃えは、自社ブランド商品(あさひのオリジナル自転車):他社ブランド商品=1:1の構成比率です。
残りの約10%は、あさひの看板・ノウハウを貸してお店をやっていいよーというフランチャイズ契約をしている加盟店からのロイヤリティ収入、自転車の整備、修理等のサービス収入です。
2022年時点で、直営店486店舗、フランチャイズ店舗19店舗、全部で505店舗を展開しています。
メインは直営店ですね。
あさひは国内事業がメインですが、海外事業もチャレンジしております。
2010年3月中国北京市に現地法人「愛三希(北京)自転車商貿有限公司」を設立し、2022年2月時点では、卸供給、オンラインショップを中心に販売活動を行なっています。
規模はまだまだ小さいですが、今後伸びれば大きな収益の柱となっていきます。
サイクルベースあさひの強み
他の企業にはないあさひの強みをまとめます。
<あさひの強み>
- 小売で顧客の声を吸い上げ商品開発できる製造小売業。
自転車業界でナンバーワン - 自転車大好き人材
- 安定した財務状態
一番の強みは何と言っても、業界ナンバーワン規模の製造小売り業です。
実際に販売する店舗を持っています。
自転車を売るときの接客で、お客さんの生の貴重な意見を吸い上げることができます。
そして、製造もしているので、吸い上げた声を商品に活かすことが可能です。
自社のオリジナル商品に活かしたり、店舗の品揃えに活かしたりできます。
ネット販売が便利な現在においても、生の声を吸い上げられる場を最大規模でもっているあさひは強いです。
またあさひの社員の方は、自転車大好きです(きっと!)
従業員:5,745名ですが、そのうち…
- 自転車技士:1,619名
- 自転車安全整備士:1,773名
- 安全・安心を提供できる技術マイスター:376名
- 豊富な知識・経験を有した接客マイスター:138名
- 乗る喜びや楽しみ方を伝えるガイドマイスター:66名
そして繰り返しになるますが、自転車通勤率56%という驚異の数字。
自転車大好き従業員は様々のところで強みを発揮します。
分かりやすいのが店舗の従業員。
自転車大好き、自転車の知識豊富。
お客さんは的確なアドバイスを受けられます。
「あ~、あさひで購入して良かったな。」
「自転車の調子が悪いからあさひに相談しに行こう」
となるわけです。
また強みの一つとして、財務基盤の健全性も挙げられます。
借金が少なく、自己資本を沢山もっている会社です。
- 自己資本比率:76.1%
- 負債:111億円(有利子負債なし)
(2022年時点)
急に売上が激減したとしても、なんとか耐えられる安心感があります。
強化しているECと店舗の連動
また近年売上を順調に伸ばしている要因として
「ネットで注文、お店で受取り」戦略が大成功しております。
実際、我が家も、この方法で電動自転車を購入しております。
ネット購入&店舗受取をまとめた記事はこちら↓
≫お得&安心に電動自転車を買う方法はこれ!あさひサイクル(楽天)でネット注文&店舗受取【体験談】
自転車は1つ1つが大きな商品。
店舗での品揃えは限られます。
でもネットで買うと送料も結構かかってしまう。
そして実際に乗って見たり、説明を受けたり、壊れた時に相談したりしたいもの。
そんな中で、現在のデジタル化にあやかり、「ネットで注文、お店で受取り」で売上を伸ばしております。
これにより、狭い土地でも店舗の出店が可能となります。
今までのメインだった郊外型大型店舗にプラスして、近年は都市型小型店舗もどしどし展開していく予定です。
あさひを取り巻く環境
- 密を避ける自転車ブーム
- 電動自転車・スポーツ自転車の伸長
- CO2排出を削減する動き
- 円安
- デジタル化
自転車で楽しむ文化を創出する会社のあさひとしてはラッキー♪
取り巻く環境は、追い風要素が多いです。
<電動アシスト自転車の伸び>
新しい生活様式に伴う「密」を避ける移動手段として、自転車は大人気。
また電動アシスト自転車や、海外で先駆けて流行しているスポーツ自転車など、高価格な商品の伸びが大きいです。
私も電動自転車を購入しました。
購入して初めて知ったのですが、高いのですね(^^;
15万前後の商品がずらりと。
かなりの高級自転車です。
最初値段を知ったときは、ひえ~~~。
原付バイクだな、と思いました。
でも実際に使ってみると、行動範囲の広がりに驚き!
QOL爆上がり。
近年稀にみる良い買い物をしたなと思っております。
我が家は子育てファミリーです。
後ろの子供を乗せられるものを購入しました。
子育て世代以外にも、電動アシスト自転車は人気。
用途は多様化しております。
シニア世代でも利用者が増えています。
高齢ドライバー運転免許証の自主返納が広がり、自動車の代わりとなる移動手段として購入したり。
また通勤に活用するビジネスパーソンも登場したり。
電動自転車は、これからもまだ伸長するといわれています。
実際、2020 年の電動アシスト自転車の国内出荷台数は70万台超え。
10 年前のおよそ2.1倍に増えています。
(画像出所:あさひサイクルベース決算レポート資料より)
<円安>
2022年10月時点、異例の円安水準です。
あさひは海外とも取引をしております。
中国をはじめアジア圏各国への商品供給や、部品の海外から購入。
また自社ブランド商品は、あさひが企画・開発を行ない、主に海外の自転車メーカーに生産を委託しています。
2022年度決算における生産委託品の仕入高は約142億円(総仕入高に占める割合37.5%)で、その大半は中国において生産を行なっています。
海外で販売する場合は円安は追い風ですが、部品購入する場合や海外工場で生産する場合は向かい風です。
あさひは、この為替変動リスクを軽減するため、適切なタイミングで為替予約取引を行なっています。
二酸化炭素の排出制限や、消費者のデジタル化などはイメージしやすいと思います。
あさひの今後のポイント
あさひを取り巻く環境を踏まえて。
個人的に考えたあさひが成長するための今後のポイントは以下3点。
- 高単価な電動自転車・スポーツ自転車の売上拡大
- 自社ブランド自転車の売上拡大
- 自転車のメンテナンスで、どれだけ顧客とつながり続けられるか?
<高単価な電動自転車・スポーツ自転車の売上拡大>
日本は現在人口減少中です。
自転車の販売台数も例外ではなく、減少していくことが予想できます。
数量が減るなら単価を上げていかないと、売上は維持&上昇していけません。
今後伸びそうな電動アシスト自転車の伸びが重要になります。
スポーツ自転車も単価は高いのですが、まだ一般的ではありません。
その分伸びしろあり!
今から浸透すると、今後の伸びが違ってきます。
<自社ブランド自転車の売上拡大>
あさひは製造小売業という強みがあります。
顧客の声を吸い上げ、それをいかに自社ブランド商品につなげるか、そして割安で顧客のニーズをがっちりつかんだ自転車をうみだせるか。
あさひにしか売っていない人気のオリジナル商品ができれば、小売部門としては強気に行けます。
この点、あさひは特に電動アシスト自転車に力を入れてます。
買い物、送迎、通勤・通学、レジャーなど、さまざまな用途の自社ブランド自転車を販売中。
(画像出所:あさひ決算レポート資料より)
しかしまだまだNB商品に勝る人気商品は出ていない印象。
ここは今後に期待大!
自転車業界のユニクロになる日が訪れるのではないか!?と期待しています。
<自転車のメンテによる顧客とのつながり強化>
自転車を長く使うにはメンテナンスが大切です。
特に高価格で少し複雑な電動自転車はメンテナンス必須。
自転車販売店は、通常1回購入したら、次回購入までしばらく訪れる機会がありません。
そこをメンテナンスをすることで、顧客との接触頻度を増やせれば、次回購入にもつながっていきます。
あさひには顧客向けのアプリがあります。
アプリによる定期的な情報発信を顧客にすることで、いかに来店頻度を上げられるかがキーとなります。
アプリと通じてクーポンやイベント、購入後の点検のお知らせなどの情報発信に取り組んでます。
また、サイクルメイトという会員サービスを実施。
費用を払って、アフターサービスが受けられる仕組みです。
余談ですが…
我が家も電動自転車購入時、店舗でこのサイクルメイトの案内を受けました。
夫が店舗で受取してきてくれたのですが、「あたかもみんな入るみたいな感じだったので、入らなかった。」
とのこと…(笑)!
内容を知りたかったので加入してほしかったのですが、夫のように一筋縄ではいかないお客様も(^^;
なので、サイクルメイトの実体験は書けないのですが、加入したらまとめますっ。
購入後のアフターサービス、リユース、次回購入をあさひで行うことで、生涯顧客価値をいかに上げられるか。
「自転車を買う」から、「自転車ライフに寄り添う」へ。
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